第三者意見書

  • マネジャー 長谷 直子 氏

株式会社 日本総合研究所
創発戦略センター/ESGリサーチセンター
マネジャー
長谷 直子 氏

「新電元グループCSRレポート2021」の記述を踏まえて、新電元グループの取組みとその情報開示に関する第三者意見を提出します。

今年度のレポートを拝読して、ESGやSDGsへの貢献に向けた取組みを着実に進めておられると感じました。具体的な評価ポイントを3点申し上げます。

1点目は、事業戦略を通じて貢献するSDGsのマテリアリティを特定し、本業を通じて取組む重点領域を明確にされている点です。特に、脱炭素社会の実現に向けて、「目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)」に加え、「目標13(気候変動に具体的な対策を)」をマテリアリティに特定されました。主力製品であるデバイス製品等は、消費電力の低減に資することから、エレクトロニクス分野やモビリティ分野におけるエネルギー効率の改善に大きく寄与しておられます。また、電気自動車向け急速充電器や、太陽光発電用パワーコンディショナ、ポータブル発電機用のインバータ等の提供を通じて、脱炭素社会に向けたインフラ整備や自然災害に対するレジリエンス向上に貢献しておられます。
また、それぞれの重点領域について、SDGsのターゲットレベルでの関連付けを行い、取組みによる成果(インパクト)を測る評価指標も併せて設定されている点も評価致します。SDGsに貢献するという宣言に加えて、今後は取組みによる具体的な「成果」が問われることから、企業においても、自社の事業活動が社会に対してどのような影響を及ぼし得るのか、自社の取組みによる成果を定量的に評価することが求められています。新電元グループでは、脱炭素社会に資する多くの製品を手掛けておられることから、製品の提供を通じた環境や社会へのインパクトを評価し、評価結果に基づき継続的な改善につなげていかれることが期待されます。

2点目は、サプライチェーンマネジメントを強化されている点です。CSR調達の実効性を高めるために、サプライチェーン全体での取組みを推進することは非常に重要です。新電元グループでは、「グループ資材調達方針」や「責任ある鉱物調達への取組み」として組織方針を明文化し、サプライヤーに対して理解と協力を求めておられます。人権デューデリジェンスについても、「新電元グループサプライチェーンCSR推進ガイドブック」に基づくアンケート調査を実施しておられます。回答結果をもとにスコアリングし、目標スコアに満たないサプライヤーに対しては改善指導を実施するなど、サプライチェーン全体としての水準を引き上げておられることを評価致します。
今後は、調査の対象範囲や実施社数・比率等についても可能な範囲で開示していくことで、説明の具体性がより高まると思料致します。

3点目は、「働き方改革宣言」を策定され、社内外に組織としての取組み姿勢を明確にされた点です。新設した朝霞事業所では、部門毎のワークスタイルに即したレイアウトや、従業員同士のコミュニケーションを促進する空間を設け、快適性や従業員の健康に配慮した職場環境を実現しておられます。こうした環境整備により、業務の生産性向上や新たなイノベーションの創出にもつながることが期待できます。

最後に、昨今、コーポレートガバナンス・コードの改訂により、TCFD(気候関連財務開示タスクフォース:Task force on Climate-related Financial Disclosures)等に基づく情報開示の量と質の充実が要求されるなど、企業に気候変動対応を求める動きが加速しています。日本政府も、2050年までに国内の温室効果ガス排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にすることを表明しました。今後、気候変動が企業経営にもたらすリスクや機会の分析について開示を進めるとともに、中長期的なCO2削減目標を設定・開示していかれることを期待致します。

第三者意見書を受けて

株式会社日本総合研究所の創発戦略センター/ESGリサーチセンター、マネジャー長谷直子様より、当社グループCSR活動への貴重なご意見を賜り誠にありがとうございます。
当社グループは、ESGの取組みや「企業ミッション」に則したSDGsマテリアリティを表明し、実践していくことでステークホルダーの皆様とともに新たな未来を共創してまいります。
また、これまで培ってきたコア技術の革新と未来に向けた先進技術の創出で脱炭素社会に向けた諸課題の解決に取組み、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

                            

新電元工業株式会社CSR室
(CSR委員会事務局)

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