二輪車技術紹介(位相制御式レギュレータ/レクチファイア)

  • 二輪車技術紹介(位相制御式レギュレータ/レクチファイア)

開発背景

弊社ではこれまで大型二輪車向けの三相レギュレータ/レクチファイア(REG/RECT)を開発してきました。近年では環境法規対応によるセンサの増加やユーザーのニーズに伴った電装品負荷の増加により、ACG出力UPの需要が高まっており、大電流に対応したREG/RECTが必要となっています。
一般的にACGの出力はエンジン回転数が高いほど大きな出力となるのに対し、出力UPの需要は、特にアイドリングなどのエンジンの低回転域に対して高まっています。低回転域の出力をUPすると、高回転域では必要以上の過剰な出力となりバッテリが過充電となるため、この過剰分のエネルギーを熱に変えるなどして捨てなければなりません。
従来の三相REG/RECTではACGの出力を整流して出力するだけあり、ACG出力をUPするためにはACGの大型化や、特性の優れた高価なレアアース等を使用する必要がありました。またREG/RECT自身も発生する熱を放熱するために大型化する必要があります。ACGやREG/RECTの外形が大きくなることは、車両のデザイン性,レイアウト性の悪化、車両重量の増加、燃費悪化など、様々な悪影響を及ぼします。
そのため、市場の要求する大電流化に対応した新たなREG/RECTの開発を行いました。

開発技術の紹介

  • 開発技術の紹介の図

ACG出力はエンジン回転数に対して右肩上がりとなります。そのため、低回転域では出力が不足し、高回転域では出力が過剰となります。位相制御式REG/RECTでは通電位相を制御することでACGに働く界磁を強弱させ、ACG出力を調整しています。それによりACGの大型化を行わずとも低回転域の出力を上げ、高回転域の出力を抑えることを可能としました。低回転域での優れた出力特性を有する位相制御式REG/RECTは、二輪だけでなく、停泊時に多くの電気を使用する船舶や、多くの電装品を搭載するSSV(サイドバイサイドビークル)にも需要が高まっています。
また位相制御に必要なACGの磁極位置検出を点火/噴射制御に使用しているセンサを用いることで、新たなセンサを追加せずに位相制御を実現しました。
大電流化による発熱も整流素子を全てMOSFETで構成することで、従来の三相ショートREG/RECT(FET)に比べ、大幅に低減しました。

期待される効果・今後の取組み 等

世界各国で展開されていく二輪車環境規制により二輪車に搭載される電子負荷(センサ)は増加していき、低回転域での出力UPの需要は今後も高まる一方と予想されます。位相制御式REG/RECTを用いることで、ACGを大型化せずに出力UPを行うことのみならず、ACGを大型化しさらなる高出力化を行うことが可能になります。
また位相制御式REC/RECTにはCPUを搭載しております。今後はメーターとの通信によるバッテリ残量表示や、ECUとの通信によるエンジン負荷状況に応じた充電制御など、REC/RECTの高機能化も可能となります。
REG/RECTのトップシェアメーカーとして、他社に先駆けたシステムを提案させていただきます。

  • REG/RECT 外形図
    REG/RECT 外形図
  • システム図
    システム図

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