二輪技術紹介 アイドリングSTOP対応ECU

  • 二輪技術紹介  アイドリングSTOP対応ECU

開発背景

弊社が2002年より量産しているアイドリングSTOP対応ECUは、始動モータ制御、バッテリ充電制御、燃料噴射制御(FI)などの機能を持つ複合機能ECUです。今日まで小型二輪車市場においてアイドリングSTOP対応ECUの先駆者として、二輪車環境規制対応に貢献してきました。

自動車の排気ガスに含まれる一酸化炭素や窒素酸化物などによる大気汚染は世界的に問題視されており、各国で排ガス規制が定められています。大気汚染物質の排出基準値は年を追うごとに厳しく、同一車種であってもモデルチェンジにおける排ガス性能の改善が求められています。
二輪車においても欧州・日本では1998年から排ガス規制の適用が始まり、2006年「EURO3」、2016年「EURO4」と規制値が厳しくなってきています。さらに2020年には「EURO5」が適用され、更に厳しい規制になる予定です。排ガス規制は欧州・日本の先進国だけへの適用ではなく、インドネシア,ベトナムでも「EURO3」が適用されています。

2020年には世界最大市場となるインドにおいても「EURO5」が適用される予定です。規制クリアのため、二輪車はキャブレタからFIシステムへ移行し、今まで以上に各種センサや車両負荷が搭載されることになる一方で、FI制御を行うECUの搭載スペースは限られたものとなり、従来以上の多機能・小型化が求められます。
インド市場における二輪車の使われ方を見ると信号待ちでエンジンを切るなど、アイドリングSTOPに対する強い要望が感じられます。また排ガス規制により車両のコストがUPしてはインドの二輪車市場が停滞する恐れがあるため、多機能・小型化に加えて今まで以上の低コスト化が求められます。
今まで蓄積してきた弊社のECU技術を活かし、多機能・小型・低コストに挑むべく、一歩先を行く技術を搭載する次世代アイドリングSTOP対応ECUの開発をスタートしました。

開発技術の紹介

今までの延長線で開発していてはインド市場に求められる多機能・小型化、低コスト化を実現できないと判断し、ECU構想を根本的に変えることにしました。従来のECUではアイドリングSTOP機能のメインとなる三相ドライバ回路部をディスクリートMOSFETで構成しており、筐体に占めるサイズ割合が大きかったため、自社製パワーモジュールで構成することで、大幅な小型化を図りました。また自社製プリドライバICの採用、自社製LEDヘッドライトドライバICの採用など、自社製の部品を多く使用することにより多機能・小型化・低コストを実現しています。
さらに従来の構造設計技術の蓄積から、より放熱性を向上させた構造設計とすることで、高温環境が想定されるインド環境にも適用可能なECUとしています。
2020年適用予定の「EURO5」への適合に向けて従来の10倍以上の処理を実施し、また各種センサの読み込み精度を従来の4倍にすることで、EURO5に適合する非常に細かい燃料噴射(FI)を実現しています。

  • 自社製パワーモジュール(面積▲70%)
    自社製パワーモジュール(面積▲70%)
  • 自社製プリドライバIC
    自社製プリドライバIC

期待される効果・今後の取組み 等

従来のECUから大幅に小型・軽量化できたことにより車両全体の軽量化にも貢献でき、省エネの一端を担っています。(重量:従来ECU比▲25%)
従来からのアイドリングSTOP機能に加え、今まで以上に燃費向上を実現したECUが世界最大No.1市場であるインド市場に投入されるということは、地球環境に非常に大きな貢献を果たすことになります。

  • 従来ECU パワーモジュール適用ECU

欧州・日本では排ガス規制に加えて自己診断機能「OBDⅡ」の搭載が義務化される予定です。OBDⅡでは排ガス性能の悪化を招く部品の経時劣化や故障に関する情報をユーザーに直接知らせるとともに、故障した車両の走行を抑制、または禁止させ大気汚染物質の排出量を削減します。
今後、OBDⅡの対応では、排ガス規制対応を行った時よりも、さらに多くのセンサや車両負荷が搭載され、ECUに課せられる課題は多く、大きくなっていきます。大気汚染物質の排出量削減という環境問題に対し、将来を見据えたECU開発を通じて取り組み続けます。

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