電気自動車は今後どうなる?価格・使い方・機能

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先進国を中心に世界のスタンダードとなりつつある電気自動車。日本では今後どうなっていくのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
電気自動車は今後、価格・使い方・機能の全てが大きく変わっていくといわれています。
今回は、日本の電気自動車はどう変わっていくのか、価格の変化、使われ方、新たな機能の3つの側面に焦点を当ててご紹介します。今後も目が離せない電気自動車について、詳しく見ていきましょう。

【目次】

1.電気自動車は今後、価格・使い方・機能の全てが変わっていく

今後の電気自動車は価格や使い方、機能の全てが大きく変わっていくと考えられています。まず現在の状況から確認しましょう。日本の電気自動車の販売台数の割合は、ガソリンを使用するハイブリッド車を除くと2021年10月時点で約1.1%であり、あまり普及しているとはいえない状況です。

しかし、日本政府は「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」との方針を示しており、東京都はその目標をさらに5年上回る「2030年までにガソリン車の新車販売をゼロにする」としています。
国や自治体はもちろん、自動車産業に関わる全てのメーカーが電気自動車の普及を目指し、力を注いでいます。

自動車業界は現在、「100年に1度の大変革期」を迎え、各メーカーの激しい開発競争は待ったなしです。それに伴い、電気自動車はあらゆる面で大きく変化せざるを得ない状況といえるでしょう。

2.電気自動車の今後の価格

今後の電気自動車の動向について詳しく解説します。まずは価格の変化について見ていきましょう。

車体価格は普及に伴って下がる

電気自動車の普及が進まない原因の1つが車体価格の高さです。しかし、車体価格は今後、電気自動車の普及に伴って下がるのではないかと考えられます。電気自動車の車体価格が高い理由は主に二つ。1つ目はバッテリが非常に高価であること。2つ目は材料費が高騰していることです。

いまの電気自動車は製造費が高く付く上に、利益率が低いという特徴があります。ガソリン車の利益率が20%であるのに対して、電気自動車はわずか5%。価格が下がりにくいのにも納得です。

しかし、現在バッテリ開発は国際的に競争が激化しており、高品質低価格のバッテリの登場もそう遠くありません。さらに電気自動車普及が進めば、大量生産による材料費を抑えることが可能になり、市場を争う各メーカーの競争、円相場の安定などによって車体価格は徐々に下がることが予想されます。

普及するまでは減税、補助金が使える可能性が高い

電気自動車の車体価格が下がるのには、しばらく時間が必要ですが、十分に普及するまでは政府や自治体による減税や補助金政策が実施されるでしょう。例えば、現在行われているエコカー減税やCEV補助金を利用して電気自動車を購入すると、以下のように購入価格を抑えられます。

例)車両価格495万円のEVを東京都で購入する場合
・エコカー減税3万円
・自動車税減税1万8500円
・令和4年度 CEV補助金:55万5000円
・東京都令和4年度 ZEV補助金:45万円
=【減税・補助金額の合計】105万3500円
※2030年度燃費基準を75%以上達成している電気自動車は環境性能割も非課税

車両価格495万円-減税・補助額105万3500円
=【購入価格】389万6500円

また、電気自動車は購入時と車検時にかかる重量税は全額免除、毎年かかる自動車税も75%軽減されるため維持費も抑えられます。

3.電気自動車の今後の使われ方

電力が主要エネルギーとなる電気自動車は環境性能だけではなく、ガソリン車にはない様々な可能性を秘めています。使われ方も大きく変化するでしょう。

2035年には電気自動車が約40%になる

まずは今後、電気自動車の普及率がどこまで伸びるかについて見てみましょう。現時点では国内で1%ほどの普及率ですが、今後は約40%まで増えると予測されているのです。グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズが2022年7月に公開した調査レポート「2022年版グローバル自動車業界アウトルック」による日本のシェア予想では、2035年には普通乗用車の新車販売台数ベースで約4割が電気自動車になると見込まれています。

蓄電池としての使用がスタンダードに

今後、電気自動車は自動車としての役割だけでなく、蓄電池としての使用もスタンダードになると予想されています。

電気自動車は家庭で使用する電力の2~4日分の電力を蓄えることが可能です。V2Hと呼ばれる電気自動車に貯蔵されている電気を住宅用電力として使用できるようにするシステムを使えば、非常用の蓄電池として役立ちます。地震や台風といった災害の影響を受けやすい日本では、自宅にある大型の蓄電池として大きな安心材料となるでしょう。

また、電気自動車は充電するタイミングを設定できるので、電気料金の安い夜間に充電して昼間の住宅用電力として使用することもできます。上手に活用すれば電力面で大きなコストカットに繋がるかもしれません。

多様な車種や機能の使い分けがされる

電気自動車の開発は、今や日進月歩の勢いです。国内の自動車メーカーに限定しても、2030年までに様々な車種の電気自動車が発表される予定で、性能の異なるバッテリや新機能の開発が進められています。

現状、電気自動車の重要課題はバッテリのコストと航続距離です。しかし、車両によってバッテリ容量や性能にあえて差を付け、普段使いの短距離用、運送のための長距離用など用途に合った電気自動車が購入できるように変化し始めています。

また、異業種企業の参入で自動運転やこれまでにない新機能など個性的な機能が付き、さらに多様化が進むと考えられます。バラエティ豊かな車両からユーザーが自由に選べる時代になるでしょう。


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4.今後期待できる電気自動車の新機能

いま、電気自動車産業には異業種企業の参入が始まっています。これまでの自動車には搭載されていなかったような新機能が搭載されて、カーライフは大きく変わっていくでしょう。

通信、ネットワーク技術はもちろんのこと、エンターテインメント分野も融合した新機能の開発など、市場の付加価値競争によってこれまでにない要素も期待できます。

例えば、車と車がインターネットで常時接続し渋滞情報や災害情報を共有したり、高精細の映像の投影、高音質の音響設備による音楽空間など車内空間を演出したりすることが可能となるでしょう。

また、電気自動車はそのシンプルな構造から、自動運転を進歩させるといわれています。より高度な自動運転を実現するためにはカメラやセンサーなどを多く使用する必要があるためです。

5.まとめ

現在、日本における電気自動車の新車販売台数の割合はわずか1%ほど。しかし、政府や自治体は2030年以降を目途に電気自動車に切り替える方針を進めており、2035年には約40%が電気自動車になると予測されています。

いまの電気自動車の課題は車体価格の高さですが、今後の普及に伴って徐々に低下すると予想されています。それまでは、行政による減税や購入補助金など手厚い支援策が継続されるでしょう。

また、電気自動車は災害時の蓄電池などの役割が加わり、搭載バッテリの種類に合わせて短距離用、長距離用などの使い分けがされていく可能性があります。さらに、異業種企業の参入によって、通信やネットワーク、エンタメが融合した、革新的な機能が期待できるかもしれません。

 


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