発電量を低下させる「系統電圧上昇抑制」の対策とは?

2019年11月07日更新
2018年12月20日掲載

系統電圧の上昇は発電量低下の原因に

天気の良い日に、発電量が急激に低下してしまったご経験はありませんか。その原因の一つがパワーコンディショナに搭載されいている「系統電圧上昇抑制」機能の働きです。
発電所のモニタリングで「系統電圧上昇抑制中」のアラームが発生していた場合、発電量が大幅に低下してしまう可能性があります。

系統電圧を適正範囲に保ちつつ発電ロスを抑えるには、系統電圧上昇抑制を最小限にすることがポイントです。
なぜ系統電圧上昇抑制機能が必要なのかの解説を含め、どのようにすれば軽減できるのかという対策方法についてご紹介します。

新機能「動作待機機能」で発電量低下を抑制!

当社製の太陽光パワーコンディショナに搭載された「系統電圧上昇抑制 動作待機機能」により、
発電量の低下を回避できる可能性があります。

新機能のご紹介と、実際の発電所における調査結果を初めて公開します!

パワコンの「系統電圧上昇抑制機能」はなぜ必要か?

「系統電圧上昇抑制」機能は、系統電圧を適正範囲に保つ目的で、パワーコンディショナに搭載されている機能です。発電量が多くなるほど、パワーコンディショナの系統端子電圧が上昇するため、発電量を低下させることで系統電圧の上昇を防いでいます。

この機能には、系統電圧を法律で定められた適正範囲に保つ役割があります。系統出力端子電圧が「電圧上昇抑制動作レベル(整定値)」に達すると、系統電圧上昇抑制機能が作動します。

パワーコンディショナの系統電圧上昇抑制機能には、「無効電力制御」と「有効電力制御」があります。無効電力制御は、発電量低下を防ぐ機能のひとつです。

(参考ページ)

用語解説 系統電圧上昇抑制とは

「系統電圧上昇抑制」の発生頻度を軽減する方法

当社では、下記の方法をご案内しております。

  • パワコンの整定値変更
    系統電圧上昇抑制の検出レベルを高くすることで、機能動作の頻度を減らせる可能性があります。
    ただし、変更には電力会社の承諾が必要です。
  • 系統側配線・設備の見直し
    受電点からパワーコンディショナに至る配線経路のインピーダンス(抵抗成分)を低減することで、系統電圧の上昇を抑えられる可能性があります。
  • 【当社製品新機能】動作待機機能を有効にする
    200秒以内の系統電圧上昇であれば、パワーコンディショナの出力が抑制されることを回避することができます。

発生原理と対処方法について、分かりやすく記載した資料をご用意しています。下記リンクよりダウンロードください。

系統電圧上昇抑制の発生頻度を低減する「動作待機機能」とは

【新機能】パワコンの設定で、発電量低下を抑制!

当社のパワーコンディショナの電圧上昇抑制機能に、「電圧上昇抑制動作待機機能」が加わりました。200秒以内の系統電圧上昇であれば、パワーコンディショナの出力が抑制されることを回避することができます。この機能により、売電ロスを抑えることが可能になりました。

設定項目 電圧上昇抑制 待機時間
設定範囲 0秒 / 200秒(初期値)
補足
  1. 系統連系規程(2016年版)の改訂に伴い追加された機能です。
  2. 待機時間の設定は、本体のLCD操作パネルにて設定可能です。
  3. 本機能が無い機種の動作は、待機時間0秒設定に相当します。

「動作待機機能」を解説します。出力電力(有効電力)の変化を従来の動作と比較すると、系統電圧上昇に対する出力電力低下の開始時期を大幅に遅らせることができていることがわかります。

  • 電圧上昇抑制のイメージ

電圧上昇抑制機能の動作時限の標準化に至る経緯

  • 動作時限の標準化は、2013年からJEMA・電事連で検討が開始されました。
  • 2016年版の系統連系規程で、電圧上昇抑制機能に動作時限を持たせてもよいことが盛り込まれました。
  • 2017年版のJET試験方法で、電圧上昇抑制機能の動作時限を200秒とすることが盛り込まれました。
  • 動作時限の「200秒」は、電事連の調査結果から、配電系統の電圧調整装置の中で動作時限が最も長いSVRの動作時限より決定されました。(SVR:Step Voltage Regulator)

【初公開】動作待機機能の実績データ

次のグラフは、一日あたりの電圧上昇抑制の発生回数を示しています。赤色のデータが発生回数です。多い日では30回以上発生していた電圧上昇抑制が、「動作待機機能」の導入後には発生回数が10回未満に減少したことが分かります。

  • 発生回数の減少が見られた例 (縦軸が発生回数)

次のグラフは、一日あたりの電圧上昇抑制が発生したトータル時間を示しています。赤色のデータが発生時間です。多い日では4時間以上発生していた電圧上昇抑制が、「動作待機機能」の導入後には発生時間が1時間未満に減少したことが分かります。

  • 発生時間の減少が見られた例 (縦軸が発生時間)
  • 本データは、実在する発電所における検証結果です。データは一例であり、全ての発電所で本データに相当する効果を保証するものではありません。

対応機種のご案内

太陽光発電用パワーコンディショナ「SOLGRID」

 


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部署名 営業本部 営業統括部
TEL 03-3279-4537
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  • 詳細 
    無効電力制御と有効電力制御は、それぞれ系統電圧上昇を抑制する効果が得られる機能です。無効電力制御はパワーコンディショナの出力電力を低下させずに系統電圧上昇を抑制する方式であるのに対し、有効電力制御はパワーコンディショナの出力電力を低下させることで系統電圧上昇を抑制する方式となっています。従い、有効電力制御が動作した場合のみ、発電量が低下することになります。系統電圧上昇抑制機能は、電力系統の電圧を適正範囲内に維持し、電気製品などの故障や寿命低下を防ぐために必要な機能です。系統電圧値が適正範囲内に戻ると自動的に制御が解除され、通常の発電状態に戻ります。
  • 法規
    発電設備等を低圧配電線に連系する場合においては,低圧需要家の電圧を標準電圧100Vに対しては101±6V,標準電圧200Vに対しては202±20V以内に維持する必要がある。(電気事業法第26条及び電気事業法施行規則第44条)

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