当社が開発を進めています、
非接触給電システム(WCS)をご紹介します。
非接触充電とは
電気自動車に非接触給電システムを搭載すると、ケーブルを接続することなく充電することができます。 地上側の送電コイルと、自動車側の受電コイルにより、ワイヤレスで電力を伝送する仕組みです。 このシステムが実用化されますと、自宅や駐車場の送電コイルの上に停車するだけで自動車の充電ができ、利便性が飛躍的に向上します。
技術の仕組み
充電能力は3.7kVA~11.1kVA・車高空間はZ1~Z3
充電能力
充電能力(最大入力電力)は、米国自動車技術会(SAE)により、WPT1(3.7kVA)、WPT2(7.7kVA)、WPT3(11.1kVA)と規格化しています。これは、駐車時における地上側(送電コイル)と車両側(受電コイル)の少しの位置ずれにも、一定以上の電力伝送効率を求められるものとなっています。
Zランク 車高空間(送電コイルー受電コイル間の距離)
ワイヤレス充電では、車高の異なる車両に対応するため、下図のように、Zランクが米国自動車技術会(SAE)で規格化されています。SUV(Z3)のような車高の高い車種ほど、送電コイルと受電コイルの間の距離が広いことで技術的なハードルが上がります。
テクノロジー
電気自動車の給電に適した「磁界共鳴方式」
当社は、磁界共鳴方式による非接触電力伝送技術の開発を行う米国のWiTricity Corporation(ワイトリシティ社)と、電動車両向けの非接触電力伝送技術に関するライセンス契約を締結しました。
非接触給電システムは、地上側の送電コイルと自動車側の受電コイル間で電力を伝送し、車に搭載した受電コイルに充電するシステムです。車高空間に対応できる非接触給電は大きく分けて、「電磁誘導方式」と「磁界共鳴方式」の二種類があります。ワイトリシティ社の磁界共鳴方式は、電磁誘導方式よりも長い空間距離の電力伝送効率に優れているほか、送受電コイル相互の位置や向きなどの自由度が高いなどの特長があります。
利便性が向上
人体への安全性が高く、生活空間での利用に適するといわれています。SUVなどの車種でも高効率で安定した給電が可能なほか、駐車位置の自由度が高いため、使いやすさも向上します。
- 安全性が高い
- さまざまな車種に対応
- 駐車位置の自由度が高い
システム
設置イメージ
製品イメージ
システム構成
- VA RF BOX:車載側整流ユニット
- VA Resonator:車載側受電コイル
- GA Resonator:地上側送電コイル
- GA PowerBOX:地上側パワーユニット
ご案内・お問い合わせ
現在主流のEV充電システムは、ケーブルを接続する手間がかかるほか、充電コネクタなどのメンテナンスも必要です。将来に向けて期待されているWCS(非接触給電システム)は、より高い安全性と利便性を実現します。当社は、この技術の製品化、普及に向けて、業界標準の規格、各種安全制御を採用・準拠するとともに、当社の半導体技術、回路技術、実装技術を活かした最適設計による高い商品性を目指し、開発を進めています。
当社は、車載部品分野では世界でもトップシェアを誇る二輪車用電装品をはじめ、車載用半導体デバイス、コンバータ・電子制御ユニット(ECU)などの車載機器、産業機器分野では、充電インフラ向け普通・急速充電器などの電源装置まで幅広く手掛けています。 長年に渡って培ってきた高信頼性車載機器における小型・軽量化技術およびインフラ機器における高効率・小型・耐環境設計技術と通信・制御技術を活かし、電動車両向けの非接触電力伝送システムの製品化を進めてまいります。
お問い合わせ
EV非接触給電システムに関するお問い合わせ
関連コンテンツ
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