電動バイク(二輪EV)はどんどん便利になる!今後の注目ポイント
2022年8月掲載
世界各国でEV開発が加速していますが、バイクの電動化も着実に進んでいます。政府もカーボンニュートラルの実現を推し進める中、電動バイクを取り巻く状況は今後どのような変化を遂げるのでしょうか。
今回は、電動バイクのメリットと課題、今後の動向について詳しく解説します。電動バイクを購入する際の参考にしてくださいね。
【目次】
1.電動バイク(二輪EV)は今後もっと便利になる
2021年1月、政府が「2035年には販売される新車全てを電動車とする」と発表しました。また、東京都も「都内で新車発売される二輪車全てを、2035年までに非ガソリン化する」という方針を示しており、2035年は電動バイクにとって大きな節目の年となりそうです。
二輪車は自動車よりもEV化に課題が多いといわれていますが、ガソリン車廃止の流れを受け各メーカーが開発に乗り出しました。2022年現在、様々なメーカーから電動バイクが販売されています。
二輪車製品でも当社製品が活躍しています。
2.電動バイク(二輪EV)のメリットと今の課題
電動バイクには電動化によるメリットが多い一方、EVに比べると技術が進んでおらず課題が残されているのも事実です。メリットと課題をそれぞれ見ていきましょう。
電動バイクのメリット
まずは電動バイクに乗る5つのメリットをご紹介します。
①環境に優しい
電動バイクは電気でモータを動かして駆動力を生むため、走行時に二酸化炭素を排出せず、環境への影響を抑えられます。
②静か
電動バイクは振動や騒音がほとんど気になりません。早朝、夜間の運転や住宅街でも気にせず走行でき、安定した乗り心地が魅力です。
③自宅で充電・給油なし
一般的な電動バイクは着脱式バッテリを採用しており、取り外して家庭用のコンセントで充電可能です。給油のためにガソリンスタンドに出向く時間と手間を削減できます。
④ランニングコストが安い
ランニングコストが抑えられるのもメリットのひとつです。電動バイクはガソリンエンジンのバイクよりも燃料コストが安い上に、シンプルな構造なので、故障しにくく修理代もあまりかかりません。
⑤クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金が使える
車種にもよりますが、電動バイクの購入には国や自治体の補助金が使える場合があります。例えば、東京都では「電動バイクの普及促進事業」で助成を行っており、令和4年度については購入費として最大48万円の補助金が交付されます。
今の電動バイクの課題
エコで快適な乗り心地が魅力の電動バイクですが、課題も残されています。
①航続距離が短い
電動バイクは車体が小さく大型のバッテリを搭載できないため、1回の充電で走行できる距離が短くなります。EVより多くの充電スポットやバッテリ交換施設が必要ですが、インフラ整備が追いついておらず、長距離の移動には交換式バッテリの持ち運びが求められます。
②充電に時間がかかる
充電は給油より時間がかかるため、ガソリンバイクに慣れていると不便を感じるかもしれません。すき間時間に給油する使い方から、使用しない夜中に自宅で充電する、外食中に急速充電するといった電動バイクならではのスタイルに慣れることが大切です。時間を取れない場合でも、交換式バッテリを常備しておくと安心でしょう。
③車両価格が高い
電動バイクには高性能なリチウムバッテリが搭載されているため、同程度のガソリンバイクと比較すると価格が高くなってしまいます。
④車種がまだ少ない
2021年1月現在、国内4メーカーから電動バイクが販売されていますが、一般ユーザーが購入できるEVとHVは2車種のみに限られます。輸入車は徐々に増えつつありますが、選択肢は依然として少ないままです。
3.電動バイク(二輪EV)の今後の注目ポイント
電動バイクには課題があるものの、様々な面で改善が進められています。電動バイクの今後の注目ポイントをご紹介します。
航続距離の延長
電動バイクは航続距離の短さを指摘されることがありますが、海外の大手バイクメーカーは、市街地なら1回の充電で200km以上走行できるモデルを販売しています。このような先行事例を見ると、日本でも航続距離の延長が期待できるでしょう。
自由なデザイン
電動バイクはマフラーやエキゾーストパイプといった部品が不要で、とてもシンプルな構造をしています。その分デザインの自由度が高いため、ハードなビッグスクーターから女性にも扱いやすい自転車のような軽車両まで、幅広いデザインが可能に。これまでバイクに乗ったことがないユーザーも、好きなモデルが見つかるかもしれません。
便利な機能
多くの電動バイクにはUSBソケットがついており、スマホの充電やドライブレコーダーの利用ができます。さらに、バッテリを「モバイルバッテリ」代わりにできるため、アウトドアシーンや災害などの非常時にとても便利です。
Gachacoによる充電ステーションの拡充
2022年4月にはエネルギー会社と国内二輪メーカー4社の合意により、電動バイクの充電インフラを構築する企業「Gachaco」が設立しました。2022年秋からバッテリシェアリングサービスを開始する予定です。
「Gachaco」は、共通仕様の充電済みバッテリを充電ステーションに用意し、バッテリを交換するだけでエネルギー補充ができる仕組みです。充電ステーションを増やせば、理論上航続距離を無限に延長することができます。
4.電動バイク(二輪EV)は用途を見極めて選ぶ
電動バイクの実用化にはまだ課題が残っていますが、用途によってはデメリットが問題にならないケースもあります。
例えば、通勤や配達など限られた用途や時間でしか使わない場合には、前もって充電しておけば充電時間も走行距離も問題ありません。
また、レンタルバイクを配達などの事業で利用する場合には、購入に補助金が付くケースも多く、コストを抑えられます。車両価格よりランニングコストや故障のしにくさで車種を選べるでしょう。
5.まとめ
政府や東京都がガソリンエンジンの新車販売禁止の方針を示したこともあり、電動バイクの開発や環境整備が急ピッチで進められています。
電動バイクは環境に優しく、静かで、ランニングコストが安いメリットがある一方で、航続距離の短さや充電時間の長さ、車種の少なさといった課題もあります。
しかし、着実に航続距離が改善されており、充電切れに備えた充電ステーションの整備も進められています。電動バイクの今後は明るいといえるでしょう。