北陸電力で始まる出力制御~概要や対応手順の解説~

2020年7月掲載

2019年12月の北陸電力(りくでん)プレスリリースにおいて、北陸でも出力制御を実施する可能性が高まり、2020年6月に管内の発電事業者に対応の準備を要請するダイレクトメールは配信されました。
これまでに、出力制御の告知や実施の動きがありました電力会社は7社ありましたが、これにより、出力制御が対象となる電力会社は8社目となります。
ここでは出力制御の概要を踏まえ、北陸電力の案内に対し具体的にどのような対応が必要となるのか、期日や対象発電所についても併せて解説していきますので、ご参照ください。

  • 出力制御対象エリアマップ

北陸電力が実施する出力制御について

電力需要に対し、電力会社が発電力コントロールを実施するのが出力制御です。

再生可能エネルギーの買取制度が導入されてから、太陽光発電の設備数が増加し、北陸エリアにおける太陽光と風力発電設備の接続済み設置量は、115万kWに達しており、2019年度の5月大型連休では、太陽光と風力発電の合計出力が最大でエリア需要の約40%に達しています。(2019年12月末時点)

出力制御の対象となる太陽光発電所は、契約申込の受付日や発電設備の容量によって異なりますが、北陸電力管内においては、2015年1月26日~契約申込の受付をした発電設備すべてが、『新ルール』もしくは、『指定ルール』による出力制御対象となります。
対象となった発電所は、出力制御対象のパワーコンディショナへの切換えと「出力制御機能付PCSの仕様確認依頼書」、「PCS系列単位の諸元一覧」の提出が必要です。
まず、実際に対象となる発電所がどうかを把握するために、北陸電力より発送されたダイレクトメールがお手元にあるかご確認ください。

契約申込受付日

出力制御ルール

出力制御

10kW~50kW未満

50kW~500kW未満

500kW以上

2015年1月25日まで

旧ルール

対象外

年間30日※1

2015年1月26日~2015年3月31日

新ルール

対象外

年間360時間

2015年4月1日~2017年1月23日

新ルール

年間360時間

2017年1月24日以降

指定ルール

無制限

北陸電力の出力制御に対する手順

【書類手続き】

1. ダイレクトメールを受領後、「出力制御機能付PCSの仕様確認依頼書」と「PCS系列単位の諸元一覧」を北陸電力のホームページからダウンロード頂き返送用封筒にて提出。(2020年11月末まで)

 

2. 北陸電力より「出力機能PCS切替に関する回答」郵送。

 

3. PCS切替工事実施、完了後「工事完了届」を北陸電力のホームページからダウンロード頂き提出。(2021年9月末まで)

【出力制御の指示・実施スケジュール】

1. 前日17時頃、北陸電力ホームページ上で翌日の出力制御の公表。※2、※3

2. 機器に対し制御スケジュール配信。

3. 制御信号により設備が自動操作で出力制御対応

(手動で出力制御(旧ルール)に対応する場合は、自動電話・メールを事前登録した上で前日17時頃に受信する電話またはメールで指示に従って手動で機器を操作し、発電停止または運転を実施する必要があります。)

当社製品の出力制御対応については特設ページを設けました。

出力制御時動作実績のある「SOLGRID」シリーズについて

新電元の太陽光発電用パワーコンディショナ「SOLGRID」および太陽光発電用出力制御ユニット・監視装置「SOLGRID MANAGER」は、出力制御の技術要件に対応しており自動制御(指定ルール)による出力制御対応が可能です。
また、手動制御(旧ルール)対象の発電所においてもリモートコントロール機能により遠隔からパワーコンディショナの運転を操作できます。

出力制御が実施された九州電力管内での動作実績」もありますので、出力制御対応機器をご検討の際はぜひご相談ください。

(参考)出力制御に応じなかった場合のペナルティ

出力制御への対応はFIT法施行規則および電力会社の託送供給等約款により義務付けられているものです。
北陸電力の場合、故意に出力制御に応じない発電事業者に対しては、

「系統の接続解除も含め厳正に対処をする」としています。※4

この方針は、「契約解除の可能性がある」とする九州電力や四国電力よりもやや強めの表記となっていますので準備は必須と言えるでしょう。

まとめ

出力制御は電力会社の意向により指示・実施されるものです。ダイレクトメールが到着した場合、実施の対象となります。

現状の設備が出力制御対応かどうかご確認ください。

指示に応じない場合契約解除などのペナルティが課せられますので、事前にできる準備の一つとして、現場の負担を軽減できる自動制御対応機器をご検討いただくことをお勧めします。

※1:接続可能量超過案件 = 無制限
※2:実施の判定は、気象予測などから再生エネルギーの出力を予想して、供給量を減らす必要があるかどうかによってなされます。
※3:指示・スケジュールについては見直しがある場合があります
※4:「再エネ出力制御に関するよくあるご質問」Q17 2020年6月 北陸電力株式会社

◆本ページに記載する内容は2020年7月時点の情報です。
◆実際の運用状況については北陸電力のホームページ「再生可能エネルギーの出力制御に関するお知らせ」や案内資料にてご確認ください。

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