EVバイクの充電について|充電方法や時間・コストなど幅広く解説
円安や国際情勢の変化などによりガソリン代が高騰する中、日本でもEVへの注目度・期待感が高まってきています。それはバイクにおいても例外ではなく、EVバイクに興味を持つドライバーも増え、近年ではEVバイクのシェアリングサービスも登場しました。
EVバイクはガソリンを燃料とするバイクと比較して燃料代(電気代)が安いというメリットがある反面、充電時間などが心配な方も多いようです。この記事では、そんなEVバイクの“充電”について、充電方法や時間・コストなど幅広い観点から解説します。
【目次】
1.EVバイクの基本的な充電方法
EVバイクは電気を使用して動くタイプのバイクのため、走行するには何らかの方法で充電する必要があります。具体的な方法としては、主に次の3種類の充電方法があげられます。
自宅のコンセントで充電
最も身近な充電方法としては、一般家庭で使われている100V・200V交流電源で充電する方法があります。電動スクーターを例にとると、付属のアダプタをバッテリもしくは車内に接続し、家庭用コンセントに差し込んで充電します。
自宅のコンセントを利用して充電する方法は、屋外の充電施設を使わず手軽に充電できるのがメリットですが、満充電まで3-8時間ほどがかかるため、夜寝ている間などバイクを動かさない時間に充電を済ませておく必要があります。
充電スタンドで充電
EVバイクの中には、普通充電または急速充電が可能な充電スタンドを利用できるモデルもあります。出先で充電し長距離を航行するのに便利ですが、大型になると充電時間も増え、モデルによっては急速充電でも40分-60分ほど満充電までに時間がかかることが予想されます。
急速充電の規格が各国で分かれており、それぞれコネクタの形状が異なり互換性がないことも、充電スタンドで充電できるバイクを選ぶ際に考慮すべきポイントです。例えば、並行輸入という形で海外のEVバイクを購入しようと考えている方は、規格の違いに注意が必要です。ただし、近年では世界規格の統一を目指す動きも進んでいるため、EVバイクの進化にともない利用できる充電スタンドも増えていくものと推察されます。
バッテリ交換
EVバイクの種類によっては、各地のバイクステーションにある充電済みバッテリと交換して、そのまま走行を続ける使い方もできます。自宅での充電を必要とせず、短時間でバッテリを交換できるため、配達など継続してバイクに乗り続けなければならないケースでは重宝するでしょう。
2.EVバイクの充電にかかるコスト
EVバイクは、ガソリンを使用するバイクに比べて燃料(電気)代が安いという特徴があります。メーカーによって具体的な数値に違いはあるものの、同じメーカーでガソリンタイプとEVタイプを同条件で比較した際、4倍弱のコスト差が出ているケースもあります。
また、ガソリンの価格は基本的に個人で選択することができず、値上げ傾向が続いてしまった場合であっても、基本的には店頭価格で給油しなければなりません。これに対して電気代は、ガソリンに比べるとそれほど頻繁には価格改定が行われず、プランによっては安い電気代のタイミングで充電が可能になります。
現在乗っているバイクの給油コストが経済的に厳しいと感じている場合は、EVバイクへの乗り換えを検討するのも有効な一手かもしれません。
3.EVバイクの充電に関する注意点
家庭・充電設備で充電が可能なEVバイクは、ガソリンスタンドでしか給油できないバイクに比べると柔軟にエネルギー補給ができます。その一方で、EVバイクは繊細な一面もあるため、充電時は次のような点に注意して充電しましょう。
適切なケーブル・アダプタ等を使用する
特に家庭用コンセントを利用して充電する場合に言えることですが、バイクや家庭用コンセントの電圧・容量に合ったケーブル・アダプタを使用しなければ、バッテリ・バイク本体に何らかの損傷を与えるリスクがあります。充電ケーブルに関しては、無理に引っ張ったりねじったりすると断線の恐れがあり危険なため、普段から丁寧な取り扱いを心掛けましょう。
適切な充電場所を確認する
アダプタ・バッテリは熱を持つため、充電中に直射日光や高温多湿の場所で充電しないようにしましょう。温度が高すぎると、バッテリの性能低下・発火のリスクが生じるため注意が必要です。
万一に備えて、周囲に燃えやすいものがないか、平坦な場所であるかなどを確認しておくとよいでしょう。充電スタンド等で雨の日に充電する場合は、プラグ・充電コネクタなどを濡らさないよう、屋根が付いている場所を選びましょう。
充電中にバイク・バッテリを触らない
充電中にバイクを動かそうとすると、バッテリ・車体などに損傷を与えるリスクがあるため、基本的に「充電中はバイク・バッテリを触らないようにする」のが基本と心得ましょう。充電が終わったら、そのまま放置せずバッテリをバイクに取り付ける、充電ケーブルをバッテリ等から抜いておくなどの対処が必要です。
こまめに充電する
バッテリは残量が少ない状態で放置すると劣化する恐れがあるため、充電はこまめに行いましょう。普段の移動距離に応じて、どのタイミングで充電するのか決めておくとスムーズです。
4.EVバイクの進化を助けるPCU
世界各国で脱炭素に向けた取り組みが進む中、EVバイクの性能向上や充電設備の充実が進んでいます。EVバイクはエンジンの代わりにモータを動力源としており、近年ではそのモータを駆動するPCU(パワーコントロールユニット)の性能も注目されています。
新電元の二輪EV用制御ユニットは、バッテリ電圧、車速、モータ回転数、アクセル開度等の車両情報をリアルタイムに検出し、車両状態に合わせた最適なモータ駆動制御を行うことで、発進、加速、減速、登坂、降坂の状況に応じて、滑らかな車両走行を実現し、燃費向上に貢献します。
5.まとめ
EVバイクを充電する際の主な方法には、大きく分けて自宅のコンセントでの充電、充電スタンドを利用しての充電、充電されたバッテリの交換という3種類があげられます。バッテリ交換を除き、総じて充電時間はガソリンの給油よりも長くなる傾向にあるため、移動時は充電の予定も込みでスケジュールを立てることが大切です。
充電時の電気代は、総じてガソリンよりも安くなる傾向にあるため、目的に応じて活用できれば燃料代の大幅な節約も期待できます。ただし、充電時は気を配る場面が多いため、EVバイクは周辺機器も含め丁寧に取り扱いましょう。