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電気自動車の電気代〜電気代を安く抑える方法やガソリン車との比較〜

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電気自動車の電気代はガソリン車の燃料代に比べて安いイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。 

電気自動車の電気代は、自宅で充電するか外出先で充電するかによって変わってきます。電気代や維持費の節約など、上手に使えばお得に電気自動車を利用することができるでしょう。 

そこで今回は、電気自動車の電気代や、ガソリン車との走行コストの比較、電気代を安く抑える方法、電気自動車の維持費について解説します。 

【目次】

1.電気自動車の電気代はどれくらい?

自宅

全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価によると、1kWhあたりの料金は27円です。一般的な電気自動車は1kWhあたり約5kmの走行が可能なので、1日に50km走行したと仮定すると1ヵ月あたりの電気料金は以下の通りです。 

1ヵ月に必要な電力量:走行距離50km/日×30日÷5km/kWh=300kWh
1ヵ月あたりの電気料金: 300kWh×27円/kWh=8,100円 

その他、初期費用として充電設備の設置費用が必要です。自宅の駐車場に充電用200Vコンセントを設置する方法なら10万円程度かかります。

外出先

外出先の充電スポットの利用には基本的に充電カードの契約が必要です。料金は契約する会社やプランによって異なります。

ある充電会員サービスでは、月会費約5,000円(急速充電3時間込み)、都度充電約300円/10分(200分以上)といった料金プランになっています。

1日に50km走行した場合、1ヵ月あたりの電気料金を計算してみましょう。 

1kWhの電力で走行できる距離は約5kmなので、1ヵ月に必要な電気量は以下のようになります。 
50km/日×30日÷5km/kWh=300kWh

充電スポットの実際の出力が平均30kWだと仮定すると、月額費分で充電できる電気量は以下の通りです。

30kW×3時間=90kWh
そうすると、都度充電で充電する必要がある電力量から都度充電にかかる料金がわかります。

都度充電で充電する必要がある電力量:300kWh-90kWh=210kWh
都度充電にかかる料金:210kWh÷30kW×都度充電1,800円/時間=12,600円

つまり、充電スポットだけで充電した場合、1ヵ月あたりの電気料金は以下のようになります。

1ヵ月あたりの電気料金:月会費5,000円+都度充電にかかる料金12,600円=17,600円

また、急速充電は1回あたり30分までの時間制限が設けられていることに加え、充電率80%を超えると充電速度が極端に低下する車種が多いことから、外出先の急速充電では満充電まで回復させない運用が一般的です。普段は自宅で充電をして、遠出の際に充電スポットを利用するなど使い分けるのがよいでしょう。

2.電気自動車の電気代とガソリン車の燃料代の比較

一般的に、電気自動車の方がガソリン車よりも燃料代(電気代)が安い傾向にあります。1年あたりの走行コストの比較は以下の通りです。

  ガソリン車 電気自動車
走行距離

15km/L

5km/kWh

1年に必要な燃料(電気) 833L 2,000kWh
1年あたりの燃料代(電気代) 133,280円
(ガソリン1L 160円で計算)
54,000円
(電気1kWh,27円で計算)

電気自動車の電気代の方がガソリン車の燃料代よりも、1年で79,280円安いことがわかります。長く乗り続けるなら電気自動車の電気代の安さは魅力といえるでしょう。

3.電気自動車の電気代を安く抑える方法

ここでは、電気自動車の電気代を抑える方法を3つ紹介します。

自宅の電気料金プランを見直す

自宅の電気代を節約したいなら、契約している電気会社やプランを見直しましょう。

日中出かけていて夜間に充電することが多いなら、深夜帯の電気料金が安くなるプランがおすすめです。他にも、昼間の電気料金が安くなるプランや、ガスやインターネットとの同時契約で安くなるプランなど様々な料金形態の電力会社があります。

最近は、寝ている間に充電ができる、非常用の蓄電池として使用できる点が評価され、自宅に充電設備を設置する人が増えています。2021年時点で累計約6万台の家庭用EV充電器が設置され、2035年には約60万台にまで拡大する見込みです。

今後自宅に充電器を設置する予定の人も、一度料金プランを確認しておくと節約に繋がるかもしれません。

充電カードのプランは生活スタイルにあったものに

充電カードは生活スタイルに合わせてプランを選択すると、電気代を節約できます。

例えば、ほとんど外出先の充電スポットを使用しない場合は、月額費用が安く使用した回数分の充電料金を支払うプランを選び、反対に、外出先で充電することが多い場合は、月額費用は高いが急速充電が無料でついてくるプランを選ぶようにしましょう。

エコドライブを心がける

電気代や充電カードのプランを変更する他に、エコドライブを心がけることも大切です。

電気自動車は急加速によってバッテリの電力を消費するため、短時間で連続的な急加速を行うと、走行距離の減少やバッテリ寿命の短縮につながる可能性があります。急加速はなるべく控えて速度変化が少なく穏やかな運転を心掛けましょう。

また、エアコン(特に暖房)による電力消費も大きいため、設定温度を抑えめにする、消費電力が小さいシートヒーターを使用するといった工夫も必要です。

4.電気自動車は維持費もガソリン車より安い

電気自動車は燃料代(電気代)を除いた維持費でみても、ガソリン車よりも安く済ませられます。

電気自動車は仕組みがシンプルなので、メンテナンス時に交換が必要になる損耗部品が少なく、回生ブレーキが主体であるためブレーキパットの摩耗も大幅に抑えられます。また、オイル等の交換も必要ありません。

バッテリに関しても、近年では技術革新により充放電による劣化が大幅に抑えられており、車体寿命を迎えるまでバッテリ交換は不要と考えて良い水準に至っていることに加え、バッテリの性能保証を付ける自動車メーカーも多いことから、バッテリ交換の費用は基本的に発生しません。

また、エコカー減税により、自動車税や自動車重量税を安く抑えることができます。電気自動車は条件次第では購入時に100万円以上の補助金を受けられるため、うまく活用することでお得に購入することができます。

5.まとめ

電気自動車の電気代は、自宅で充電するか外出先の充電スポットで充電するかによって変わってきます。

自宅で充電する場合、60kWhのバッテリ容量の電気自動車を0の状態から満充電にするためには1,620円程度かかります。充電スポットを使用する場合、料金は会社によって異なりますが、月会費約5,000円(急速充電200分込み)、都度充電約300円/10分(200分以上)といった料金プランがみられます。

電気自動車の走行コストはガソリン車よりも安い傾向にあります。自宅の電気料金や充電スポットのプランを見直し、エコドライブを心がけることで更に料金を抑えられます。また、電気自動車は減税や補助金により購入費・維持費も安くなる場合があります。購入を検討している人はぜひ活用してみましょう。

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