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中国における電気自動車の普及率と売れている理由
日本での取り組みも紹介

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近頃、中国の電気自動車について耳にすることが増えたという人も多いのではないでしょうか。実際に、中国における電気自動車の普及率は先進国の中でもトップクラスであり、2023年には日本市場でも発売される予定があるなどグローバル化も進んでいます。

なぜ、中国の電気自動車は売れるようになったのでしょうか。対して、日本は電気自動車普及のためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。

今回はそういった疑問を解決するために、中国における電気自動車の普及率と売れている理由、日本で電気自動車普及のために行っている取り組みについて解説します。

【目次】

1.中国ではどのくらい電気自動車が普及している?

ここ数年で中国における電気自動車の普及は急激に進み、先進国の中でもトップクラスになりました。

2021年のバッテリ式電気自動車の新車販売台数割合ではヨーロッパ約9.1%、アメリカ約2.9%に対して中国は約11.0%であり、その販売台数においてはヨーロッパの約140万台に次いで中国は約120万台です。

また、中国では電気自動車の中でも主な燃料としてガソリンを使用するハイブリッド自動車を除いた、バッテリ式電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・燃料電池自動車をNEV(New Energy Vehicle)と呼び、その普及率を2025年までに20%にする目標が設定されています。

2022年にはNEVの販売台数は全体の18%を超えるだろうと予想されており、中国における電気自動車の普及に期待が寄せられています。

2.中国で電気自動車が普及している理由

ここではなぜ中国で電気自動車が普及しているのかについて3つの視点から解説します。

車体価格・ランニングコスト共に低価格

中国で電気自動車が普及した要因の1つには車体価格とランニングコストが低価格であることが挙げられます。

環境に配慮した良い車であっても、車体価格やランニングコストがガソリン車よりも大幅に高ければ、普及させるのは難しいかもしれません。しかし、中国で販売されている電気自動車の中には100万円を切るものもあり、手が出しやすい価格帯といえるでしょう。

ランニングコストに関しても、自宅の充電設備を使用して夜間に充電した場合、1㎞あたり約1円で走行することができるほど格安です。

中国ではこの価格の低さによって電気自動車の普及率が徐々に高まり、日常の移動手段として定着しつつあります。

補助金などの優遇措置

補助金などの優遇措置があることも電気自動車普及の要因といえるでしょう。

中国ではNEVの販売を促進するために2010年から補助金を支給しています。金額は車種や性能によって異なりますが、中には70万円ほど補助金を受給できる例もあるようです。

また、中国では渋滞緩和や環境保全を目的として、取得可能な自動車のナンバー数を制限する施策が行われていますが、NEVの場合はこういった制限が免除される専用の「グリーンナンバー」を使用できるなどの優遇措置もあります。

車体価格やランニングコストの価格に加えて、こういった優遇措置があることが電気自動車の普及に繋がっていると考えられます。

中国独自の評価制度

中国独自の評価制度も電気自動車普及に大きく貢献しています。

中国では自動車メーカーに対して「ダブルクレジット」と呼ばれる独自の評価制度を導入しています。ダブルクレジットとは、自動車メーカーに対してガソリン車の燃費向上の到達指標と新エネルギー車の生産台数指標の2つの指標を与えて、達成度合いに応じてクレジットを付与・剥奪する制度です。

クレジットがマイナスになった企業は、より多くの電気自動車を開発してクレジットを貯めるか、クレジットが余っている企業から購入しなければなりません。

購入者側への販売促進だけでなく、販売者側への政策を行っていることも電気自動車の普及に繋がっている要因だといえるでしょう。

3.日本における電気自動車普及のための取り組み

日本における現状のバッテリ式電気自動車の普及率は約0.9%であり、中国と比べるとまだまだ発展途上です。しかし、日本においても電気自動車を普及させるための取り組みが行われています。

ここでは、日本では電気自動車を普及させるためにどのような取り組みが行われているのかを見てみましょう。

日本政府は2021年に「2035年までに新車販売で電気自動車を100%にする」政策を打ち出しました。電気自動車100%を実現するために、主に以下の3つの政策が行われています。

・電気自動車購入の補助金
・充電設備設置の補助金
・電気自動車開発の補助金

電気自動車購入の補助金により購入者の負担を減らすだけでなく、充電設備設置にも補助金を出すことで充電インフラを充実化させ、電気自動車がより使いやすい社会にするのが目的です。

また、バッテリや半導体など電気自動車開発にも補助金を出すことで、開発が活性化し電気自動車の高性能化や低コスト化が実現されつつあります。

これらの施策が効果を発揮すれば他国との普及率の差が埋まるかもしれません。

4.まとめ

近年中国では電気自動車の普及が急激に進んでいます。2021年におけるバッテリ式電気自動車の新車販売台数割合はヨーロッパやアメリカを超える約11%でした。

中国で電気自動車が普及している背景には、車体価格やランニングコストが低価格である、電気自動車購入補助金やナンバー数制限が免除になるなどの優遇措置がある、独自の評価制度で自動車メーカーの電気自動車開発を後押ししているといった要因があります。

日本においても「2035年までに新車販売で電気自動車を100%にする」政策が打ち出され、電気自動車の購入、充電設備の設置、電気自動車の開発に補助金が受給できるようになりました。こういった施策が充実すれば日本でも電気自動車が普及していくと考えられるでしょう。

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