財務統括インタビュー
Q1. 第17次中期経営計画(以下、中計)初年度をどのように評価されていますか。
中計における3年間を「ホップ・ステップ・ジャンプ」の成長プロセスと位置づけるならば、初年度である2026年3月期は相応に「ホップ」することができたと考えています。前期に断行したパワーデバイス事業の構造改革効果は当初の目標値には届かなった部分もありますが、追加施策で補うことで、中計最終年度の目標達成に向けた足がかりを築くことができました。 2年目となる2027年3月期は、決して楽観視できない経営環境が続きますが、その中でいかに次の「ステップ」へと踏み出せるか、当社の真価が問われる重要な局面となります。全社一丸となり、目標達成に強い「執着心」を持って取り組んでまいります。
Q2. 御社の財務戦略に対する考え方をお聞かせください。
当社を取り巻く環境は、目まぐるしいスピードで複雑に変化しています。このような環境下で持続的成長を実現するためには、資本効率の向上を通じて企業の事業基盤を強固にすることが不可欠です。その具体的なアプローチとして、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)を連動させた経営管理をより強固に推進しています。従来の営業利益率やROEといった指標に加え、全社的なROICや事業別のROA指標の実効性ある運用を行っていきます。これらの指標の分子となる営業利益の拡大と、分母となる投下資本や事業資産の効率化を両輪で進めるとともに、政策保有株式の縮減や遊休資産のオフバランス化にも継続して取り組んでまいります。
これらの取組みによって創出したキャッシュは、成長投資・人的資本投資・財務基盤強化・株主還元へ最適に配分してまいります。成長分野への積極的な投資と人材への継続的な投資を通じて競争力を高めるとともに、財務健全性の維持と株主還元の充実を図ることで、中長期的な企業価値の向上につなげていきたいと考えています。
Q3. また中計における成長投資(設備投資・研究開発)の考え方をお聞かせください。
まずは、当社が重要なターゲット市場と位置づけるインド市場に向けて、優先的に経営資源を配分してまいります。拡大を続けるインドの二輪車市場に対応すべく、同国の拠点であるShindengen India Pvt. Ltd.において第二工場の建設を進めています。同時に、第一工場においても自動化・省人化に向けた設備投資を行い、一層の生産効率向上を図るほか、インドでのデバイス事業強化にも取り組んでまいります。こうした現在の主力事業から創出される収益を原資として、将来の柱となる成長分野への研究開発も積極的に推進します。具体的には、自動車のEV化を見据えて、電動化関連製品であるPCU(パワーコントロールユニット)やDC/DCコンバータなどの開発を加速させていきます。さらに、新たに事業譲受した京セラ株式会社のパワーデバイス事業とのシナジー創出にも、スピード感を持って取り組んでまいります。
Q4. 株主還元に対する考え方をお聞かせください。「資本コストと株価を意識した経営」の実現に向け、どのように株主・投資家との対話を深めていくお考えですか。
株主還元は経営の最重要課題の一つと認識しております。還元の方針としては、安定的かつ継続的な配当を基本としながら、状況に応じて自己株式の取得等の手法も柔軟に検討してまいります。また、ステークホルダーの皆様との積極的な対話は非常に重要であり、とりわけ株式市場においては、投資家の皆様からの信頼を獲得できるよう、当社から能動的なコミュニケーションの機会を設けてまいります。 現在、当社のPBRは1.0倍を下回る水準が続いており、この脱却が喫緊の課題です。本業の「稼ぐ力」をさらに磨き上げることで資本効率の向上に努めるとともに、建設的な対話を通じて当社の企業ブランド価値の向上にも注力してまいります。 引き続き、新電元の持続的な成長、そして企業価値の向上と資本効率の最適化に全力で取り組んでまいりますので、皆様の変わらぬご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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