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インドでの経済成長は著しい一方で、工業化に伴う工場からの排出ガスやディーゼル車の排気などの影響で、大気汚染指数(AQI)は深刻な健康リスクを懸念されるレベルである450を超える日もあるなど、世界的に見ても深刻な大気汚染問題を抱えています。
インド政府は大気汚染問題の解決策の一つとして、ディーゼル車の排気ガスを削減するための基準を厳しくし、電気自動車・二輪車の普及を促進しています。新電元工業では、電動二輪車の動力制御を行う製品を開発しており、エネルギーの有効活用を通じて、クリーンなエネルギーを提供していくための取組みを進めています。

深刻な大気汚染問題と電動化政策

インド・ニューデリー。朝の通勤時間帯は慢性的な交通渋滞が発生し、自動車やその合間を縫うように走り抜けるバイクが流れを妨げ、一層渋滞に拍車をかけています。ニューデリーの道路を走るバイクは500万台に達するともいわれています。一方で交通インフラの整備は追いついておらず、移動手段は自家用車に頼らざるを得ない側面もあります。
このような環境がインドの大気汚染問題をより深刻なものにしているといわれています。
インドではナレンドラ・モディ首相が政権の舵を取り、グレード対応行動計画(GRAP)や国家クリーンエアプログラム(NCAP)といった政策を打ち出し、大気汚染レベルの段階的な削減を目指しており、電動車普及のためFAME2と呼ばれる補助金制度や税制優遇措置が講じられ、更に次の展開の議論も進んでいます。

2030年までに二輪車と三輪車の80%を電動化するといった目標を掲げる一方でインフラ面の整備は課題が残っており、普及まで時間を要すともいわれています。インドではヒーロー・モトコープやホンダモーターといった二輪車の主力企業がある一方、電動バイクの開発ではこれら以外の新興メーカーも開発を多く手掛けています。

新電元が手掛けるソリューション提案

  • 新電元が手掛けるソリューション

新電元工業では長期ビジョン2030を定め、環境に配慮した先進的なソリューションを生み出して持続可能な社会に貢献していくことを掲げ事業展開を行っています。当社グループ売上の6割を占めるのがモビリティ分野で、そのなかでも特にインドマーケットを重点市場と位置付け、拡販を進めています。

当社の開発スタイルは、市場ニーズに沿った製品開発をするにとどまらず、相手の要望を聞き、その思いに沿ったソリューションを提案していくことです。そのためには自社製品の仕様を決定する際には、接続する周辺回路や関連部品との関係性も意識して、開発を進めていきます。当社では半導体を開発するパワーデバイス事業、ユニット開発を手掛けるパワーユニット事業、そしてインフラ開発を担うパワーシステム事業があり、市場からの要求に合わせて適した形での提案を行うことが可能です。さらにはエネルギーの変換効率を追求するため、事業それぞれが連携をとり、ユニットやインフラ装置の開発に際してムダをそぎ落としたデバイスを自社で開発することで自社のリソースをかけ合わせ、シナジー効果を発揮した製品開発も行っています。

価値ある未来へ、新電元の挑戦

2014年に設立した新電元インディアを拠点に、インド国内に向けて二輪車のエンジンへの燃料供給を電子制御する機能を搭載したECUを生産するなど、燃費向上や排出ガスの低減に貢献してきました。2023年には電動二輪車向けに、搭載される駆動モータを制御するPCUの量産を開始するなど、電動化の普及を目指すインドで新たな製品提案も行っています。2025年にはデバイス製品の販売機能も新たに設け、当社の企業ミッション「エネルギーの変換効率を極限まで追求することで、人類と社会に貢献する」のもと、安心して快適に暮らせる環境を提供できるよう、さまざまなチャネルを持ち事業活動を進めています。
これからも市場の要望に耳を傾け、お客様や社会が抱える課題を解決に導く提案で価値ある未来に向け、挑戦を続けます。

  • 新電元インディア第2工場イメージ
    2027年度稼働予定の新電元インディア第2工場(イメージ)

本ページに記載されている内容は、2025年12月現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。

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