アイドリングストップ対応ECU

アセアン地域・インドを中心に手軽な移動手段としてスクーターが多く使われています。
最近のスクーターにはアイドリング時に発生する無駄な燃料消費や排出ガス、振動、騒音を低減した「アイドリングストップ(I/S)システム」が多く搭載されています。
I/S対応エンジンコントロールユニットはエンジン制御とモータ制御とレギュレータ制御を持つ統合ユニットです。車速、エンジン回転数、アクセル開度などの情報からI/S実施判断をし、FI(Fuel Injection)制御の停止によってエンジンを停止させたり、再始動する制御を行っています。

エンジン制御とは

燃料供給制御、点火制御、ソレノイド制御により、エンジン回転数を制御しています。

燃料供給システムとは

FIはエンジン内に燃料を供給する方式のひとつで、一昔前まではキャブレターで行なっていた燃料の供給システムに置き換わって、現在の主流となっている燃料供給システムです。

点火装置とは

必要最低限の燃料を供給するFIシステムには、点火力は弱いが長時間火花を飛ばすことができるフルトラ方式が多く採用され、キャブレター式の燃料供給システムに対しては点火力が強く、火花を飛ばす時間が短いCDI方式が多く採用され、当社でも多くのCDIユニットを開発していました。

当社のアイドリングストップ対応ECUは、始動モータ制御とバッテリ充電制御の2つの役割を果たし、さらに二輪車電装品に必要な主要機能をすべて取り込んだ環境対応車用となっています。

従来の二輪車は、始動用ACGとバッテリ充電用モータの2つを用いた構成が一般的ですが、
本ECUを用いたシステムでは、始動とバッテリ充電を1つのStarterACGで制御することが可能となります。

用途と応用機種

用途 始動モータ制御、バッテリ充電制御、燃料噴射式点火制御
応用機種 二輪車

特長

アイドリングストップに対応し、スムーズなエンジン始動を実現

始動モータ制御・充電制御・点火/噴射制御を1つのECUで行い、アイドリングストップ・低排ガス・低燃費を実現しました。
また従来の始動用モータ(単相ブラシモータ)からStarterACG(三相ブラシレスモータ)となることで、エンジン始動時のクランキング音が発生しません。

始動モータ制御回路と充電制御回路を共通のMOSFET三相フルブリッジ回路で実現

制御方式は位相制御方式を採用しています。
MOSFETは、クラスNo.1の低損失である自社製を採用しており、ユニットの低発熱・小型化に貢献しています。

LED H/Lドライバ搭載

定電流コンバータ方式のLED H/Lドライバを搭載し、バッテリ電圧変動・負荷変動・温度変動時でも、ちらつきのない点灯性能を実現しています。

48V系バッテリへの対応、StarterACGによるアシスト制御を実現

これまでのStarterACGの役割は始動、充電のみでしたが、48V系バッテリに対応した高出力StarterACGにより発進/加速時にエンジンをアシストし、スムーズな加速と燃費性能のさらなる改善を実現しています。

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