• 社外取締役インタビュー
  • 西山佳宏

Q1. 社外取締役として期待されている役割とそれに対する意気込みをお聞かせください。

私は、1978年に日本鉱業株式会社に入社して以来、同グループで40年以上にわたり、銅やチタンといった金属素材の事業に携わって参りました。在職期間には、韓国のプロジェクトへの参画や2度の駐在経験も御座います。また、世界最大の銅の産出国であるチリの銅鉱山へ資本参加していた関係で、そのプロジェクトにも深く関わった経験が御座います。
以上のように、私は国内及び海外での事業経験を有しております。新電元も国内及び海外に幅広く展開しておりますので、グローバル経営の経験という観点から、私なりの助言が出来るものと考えております。また事業軸で見た場合でも、成長率が特段高くない基盤事業や規模こそ小さいが成長率は高い事業―いわゆる金属素材事業のダウンストリーム―、双方の経験を有しています。
新電元は、従来の祖業「電源」から二輪関係の電装品やデバイス事業などを派生させ、更に環境貢献製品やEV充電器など事業展開してきた歴史があります。取捨選択と限られた経営資源の有効的な分配は、企業経営において非常に重要です。企業を持続的に成長させていく為に、既存事業に偏って投資するのではなく、新しい分野にも積極的に展開していく。このバランスを重視した視座を持って、私は取締役会で意見を述べていくつもりです。

Q2. 新電元グループの企業価値向上のための課題とリスクをご自身の専門領域の点からお聞かせください。

  • 西山佳宏

事業を展開する上で、常にリスクは存在します。そのリスクが顕在化する前に予防すること、例えば、安全対策やガバナンスなどは最優先事項です。しかし例えば、ウクライナとロシアの紛争によって、様々な素材の高騰や不足が生じるなど、予期せぬ事象に対するリスク対応も求められています。新電元においても、海外展開を含め、幅広く事業を展開していますので、相応のリスクが存在するものと推察しています。ですから、そのようなリスクが発生した際、どのタイミングで損切りするか、或いは出口戦略をどのように決めておくか、などは取締役会の大きな役割の一つと考えております。
但し、基本的には「長期ビジョン2030」を議論の中心に置いて、如何に肉付けしていくかだと思います。計画がどこまで進捗しているか、停滞していないか、或いは一部変更する必要があるかなど、経営判断上、重要な情報ですので、しっかりと確認していきます。

Q3. 今後1年間、特に注力したいことをお聞かせください。

前職において私は、社外取締役の方々から貴重な意見を拝聴する会社を代表する立場でした。その際に私の考えていなかったような角度からの鋭い視点を沢山頂き、非常に役に立ったという経験を有しています。今度は立場を変えて、社長様を含め経営陣に、そのような「違う角度」からの意見を申し述べることが、一つのミッションだと認識しております。具申に向け、新電元の会社実態を現場の視察を通じて、肌で感じていくことに注力するつもりです。
具体的には、事業ごとの事業構造―競合関係や国別のマーケット動向など―が異なると思いますので、各事業の責任者から直接レクチャーを受け、その辺を精査し早めに意見を申し述べられるよう、知識をインプットして参ります。

Q4. ステークホルダーの皆様へのメッセージをお願い致します。

資本市場の評価において当社のPBRは現在1倍割れをしております。これは重要な課題だと認識しておりますが、当社は現在、自由闊達な企業文化を醸成する途上にもあります。「長期ビジョン2030」に掲げている通り、新電元は“社会のニーズに合致したシーズを持っている”と私は感じております。
従業員の皆様においては、これに自信と誇りを持って広く社会に向かって、当社の技術力、ブランド力、組織文化をPRし、そして事業展開を強力に推進していくことで、資本市場を含め自他ともに認める「パワーエレクトロニクスカンパニー」になると思っております。
ステークホルダーの皆様におかれましては、是非、当社役員、従業員へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

  • 北代八重子

Q1. 社外取締役として期待されている役割とそれに対する意気込みをお聞かせください。

私は法律の実務家ですので、企業経営の経験は御座いません。また、新電元が主導するパワーエレクトロニクス分野の技術的知見も有しておりません。法律家としての知識と経験を活かすことで、新電元の企業価値向上に努めて参ります。
法律には目的があり、これを順守することで得られる効果があります。そのような考え方を会社全体に浸透させること、ガバナンスをどう意識し浸透させるか、その点に注力していきたいと考えております。
もう一つは、私は「女性」であり、取締役会の多様性の一翼を担うということも役割であると理解しております。「女性」に留まらず、ユーザー目線であったり、他企業での社外役員の経験なども活かして、意見を申し上げて参りたいと考えております。

Q2. 新電元グループの企業価値向上のための課題とリスクをご自身の専門領域の点からお聞かせください。

第16次中期経営計画では「長期ビジョン2030」の実現に向けた基盤づくりと掲げ、最終年度2024年度の売上高を1,180億円に設定しています。規模が大きくなる為には、人間と同じように「体幹」がしっかりしていなければいけないと考えています。では、企業での「体幹」は何か。それは「企業の体制」だと思います。
ガバナンスを含め「企業の体制」を売上規模に見合って変革していければ、持続的な企業価値の向上に資するものと思いますので、その点にも注目していきたいと考えております。

Q3. 今後1年間、特に注力したいことをお聞かせください。

  • 北代八重子

先述の通り、私は法律家で経営の知見を多く有しておりませんので、今回の当社の社外取締役への就任は、例えるならば、トップスピードで走るジェットコースターに飛び乗るような感覚です。まずは、新電元グループの経営環境や事業内容をしっかりと理解することに努め、可能な限り早く会社の様々なことを把握し、その上で意見を申せるようにしたいと思っております。
私が社外役員を何社か務めさせて頂いて感じることは、会社にはそれぞれ固有の風土や個性があるということです。その風土や個性が良い循環を生んでいるのであれば問題ありませんが、他方で「世間とはズレがある」ことで悪い循環に陥ることがあるかもしれません。新電元にそのような点が垣間見られた場合には、そこは忌憚なく話をしていければと考えております。

Q4. ステークホルダーの皆様へのメッセージをお願い致します。

当社は、持続可能な社会の実現に向けて、非常に貢献度の高い事業を行っているものと考えております。ステークホルダーの皆様も、新電元グループのそのような点に魅力を感じ、関わって頂いているのではないかと、私なりに考えております。
取締役に就任する前、前社長様が朝霞事業所の社屋を紹介されていた動画を拝見し、大変素晴らしい職場環境だなと思ったことが御座います。利用される社員の方々が、建物だけでなく人間関係も含め、健康で幸せに働ける様子を想像させるものでした。このような会社の経営に参画させて頂くことを、非常に誇りに思います。その期待に応えられるよう、企業価値の向上に向けて、多様な意見の一つとして忖度のない素朴な質問から始めて参る所存です。

トップへ戻る